JFMA (Japan Foundationbolt Manufactures Association) 建築用アンカーボルトメーカー協議会

JIS B 1220 構造用両ねじアンカーボルトセットABR

JIS B 1220 転造メートル並目ねじ 図

素材

転造ねじにおけるねじ部有効断面積(Ae)の軸部断面積(Ab)に対する比率は、公称約95%で実数値では92〜96%の範囲にあります。この比率が素材の降伏比(降伏点/引張強度)を下回ると軸部が降伏する前にねじ部で破断し、アンカーボルトに所定の伸び能力を付与することができなくなります。JIS G 3138 SNR400B、SNR490B材はいずれも降伏比の上限が80%に制限されているため、このアンカーボルトでは大きな塑性変形能力が保証されています。
この素材の伸び性能を確保するために、絞り成形等の冷間加工を施さず素材に直接ねじを転造しなければなりません。
この場合、所定のねじ精度を得るためには、素材の軸径の寸法精度を厳しく制限する必要があります。

ねじ

転造加工によるねじのサイズは、アンカーボルトとしての使用実績及び設備の加工能力からM16〜M48となっています。
ねじの形状寸法は、JIS B 0205-2のメートル並目ねじとし、その許容差は施工時の環境を考慮してJIS B 0209-3のはめあい区分「粗」の8gとなっています。

JIS B 1220 ABRアンカーボルトの形状及び寸法

単位:mm

ねじの呼び
(d)
ねじのピッチ
軸部径(Φds) 長さ(lt) ねじの長さ(b)
基準寸法 最大 最小 偏径差 最小 許容差 最小 許容差
M16 2 14.54 14.66 14.41 0.29 400 +10
0
48 + 8
0
M18 2.5 16.20 16.33 16.07 0.29 450 54
M20 2.5 18.20 18.33 18.07 0.30 500 60
M22 2.5 20.20 20.33 20.07 0.30 550 66
M24 3 21.85 22.00 21.69 0.36 600 72 +10
0
M27 3 24.85 25.00 24.69 0.36 675 81
M30 3.5 27.51 27.67 27.34 0.38 750 90
M33 3.5 30.51 30.67 30.34 0.38 825 99
M36 4 33.17 33.34 32.99 0.40 900 108 +13
0
M39 4 36.17 36.34 35.99 0.40 975 117
M42 4.5 38.83 39.01 38.64 0.43 1,050 +20
0
126
M45 4.5 41.83 42.01 41.64 0.43 1,125 135
M48 5 44.48 44.68 44.28 0.46 1,200 144

ナット及び座金の形状及び寸法(ABR)

単位:mm

ナットの形状 座金の形状
ねじの呼び
(d)
ねじのピッチ ナットの高さ(m) ナットの二面幅(S) 座金の内径(dw) 座金の外径(D) 座金の厚さ(t)
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
M16 2 13 ±0.9 24 0
‒ 0.8
18 + 0.8
‒ 0
32 0
‒ 1.0
4.5(5) ±0.5
M18 2.5 15 27 20 36
M20 2.5 16 30 22 40
M22 2.5 18 32 0
‒ 1.0
24 44 6 ±0.7
M24 3 19 ±1.0 36 26 48
M27 3 22 41 30 56
M30 3.5 24 46 33 +1.0
‒ 0
60 0
‒ 1.2
8
M33 3.5 26 50 36 63
M36 4 29 55 0
‒ 1.2
39 66
M39 4 31 ±1.2 60 42 72
M42 4.5 34 65 45 78
M45 4.5 36 70 48 85 0
‒ 1.4
M48 5 38 75 52 + 1.2
‒ 0
92

(注1)座金の厚さの括弧内の数値はステンレス鋼製座金(ABR520SUS)の場合を示す。

■炭素鋼製ナットの機械的性質
強度区分 保証荷重(N/mm2 硬さ(HV) ねじ精度
5J 610 146〜319 7H
■ステンレス鋼製ナットの機械的性質
鋼種区分 強度区分 保証荷重(N/mm2 ねじ精度
A2 50 500 7H
■炭素鋼座金及びステンレス鋼製座金の機械的性質
硬さ区分 硬さ
ビッカース硬さ(HV) ロックウェル硬さ(HRC)
最小 最大 最小 最大
200J 200HV 400HV 11HRC 41HRC

ABRアンカーボルトの性能

■ABR400及びABR520SUSの性能
ねじの呼び 基準軸径
(mm)
軸部断面積
(mm2
ねじ部有効断面積
(mm2
引張耐力(kN)(注1)(注4) せん断耐力(kN)(注2)(注4)
短期許容耐力(注5) 全塑性耐力 設計用最大耐力 短期許容耐力 最大耐力
M16 14.54 166 157 36.9 39.0 50.7 21.3 36.3
(47.3)
M18 16.20 206 192 45.1 48.4 62.9 26.0 44.3
(57.6)
M20 18.20 260 245 57.6 61.1 79.4 33.2 56.6
(73.3)
M22 20.20 320 303 71.2 75.2 97.8 41.1 69.9
(91.2)
M24 21.85 375 353 83.0 88.1 115 47.9 81.4
(106)
M27 24.85 485 459 108 114 148 62.4 106
(138)
M30 27.51 594 561 132 140 182 76.2 129
(169)
M33 30.51 731 694 163 172 224 94.1 161
(208)
M36 33.17 864 817 192 203 264 111 189
(245)
M39 36.17 1,030 976 229 242 315 132 225
(293)
M42(注3) 38.83 1,180 1,120 263 277 360 152 259
(336)
M45 41.83 1,370 1,310 282
(308)
295
(322)
384
(419)
163
(178)
303
(393)
M48 44.48 1,550 1,470 316
(345)
333
(364)
433
(473)
182
(199)
339
(441)
■ABR490の性能
ねじの呼び 基準軸径
(mm)
軸部断面積
(mm2
ねじ部有効断面積
(mm2
引張耐力(kN)(注1) せん断耐力(kN)(注2)
短期許容耐力(注5) 全塑性耐力 設計用最大耐力 短期許容耐力 最大耐力
M16 14.54 166 157 51.0 54.0 70.2 29.4 44.4
M18 16.20 206 192 62.4 67.0 87.0 36.0 54.3
M20 18.20 260 245 79.6 84.5 110 46.0 9.3
M22 20.20 320 303 98.5 104 135 56.9 85.7
M24 21.85 375 353 115 122 159 66.4 99.9
M27 24.85 485 459 149 158 205 86.0 130
M30 27.51 594 561 182 193 251 105 159
M33 30.51 731 694 226 238 309 130 196
M36 33.17 864 817 266 281 365 154 231
M39 36.17 1,030 976 317 335 436 183 276
M42
(注3)
38.83 1,180 1,120 364 384 499 210 317
M45 41.83 1,370 1,310 386 404 525 223 371
M48 44.48 1,550 1,470 434 457 594 251 416

(注1) 短期許容引張耐力pba=Ae・F 全塑性引張耐力pbp=Ab・F 設計用最大引張耐力pbu=1.3Ab・F Ae:ねじ部有効断面積, Ab:軸部断面積, F:鋼材の基準強度

(注2) せん断耐力は、ねじ部有効断面積に基づいて算定されている。

(注3) ABR-M42の耐力は、軸部径が38.83mmであるため、F値の低減はしていない。

(注4) 表中括弧内の数値はABR520SUSの性能を示す。

(注5) JIS B 1220:2015 規格に規定されている耐力性能は短期許容耐力(ねじ部引張降伏耐力の最小値)のみであるが、上表には参考値としてその他耐力値も掲載している。