アンカーボルトとは
アンカーボルトの役割
アンカーボルトは大地と建物をつなぐための大切な部材です。アンカーボルトが上手く働かなければ、いくら頑丈で最適な基礎を構築しても意味がないといえます。建物の柱や壁などには、地震や台風の際に水平や垂直方向に強い力が働きます。その結果、建物と大地をつなぐアンカーボルトには大きな引抜の力がかかります。このためアンカーボルトが正しく施工されていなかったり、また設計者が期待するアンカーボルトが使用されていなければ、基礎コンクリートからアンカーボルトが引き抜けたり、破断して建物の倒壊につながる可能性もあります。このように、アンカーボルトは建物と大地をつなぐ重要な部材であるといえます。
アンカー破断で倒壊した建物の柱(阪神淡路大震災)
アンカーボルトの種類
建築用のアンカーボルトは大きく分類すると、建て方用アンカーボルトと構造用アンカーボルトに分類されます。
建て方用アンカーボルトとは、建物を建てる際に、柱を建てる時の位置決めと一時的な柱の転倒防止に利用されるもので、構造上の耐力を負担しないアンカーボルトです。
構造用アンカーボルトは、建物の構造上の耐力を負担するアンカーボルトで、建て方後も、建物と大地を基礎コンクリートの中でつなぐ重要な役割を担っています。
私ども建築用アンカーボルトメーカー協議会が推奨する建築構造用アンカーボルトのABR/ABM規格アンカーボルトは社団法人日本鋼構造協会が制定し、構造用アンカーボルトに分類されるアンカーボルトで、一般普及製品では日本で唯一認定制度を有し、その耐力と性能を保証されたアンカーボルトです。
建て方用アンカーボルトとは、建物を建てる際に、柱を建てる時の位置決めと一時的な柱の転倒防止に利用されるもので、構造上の耐力を負担しないアンカーボルトです。
構造用アンカーボルトは、建物の構造上の耐力を負担するアンカーボルトで、建て方後も、建物と大地を基礎コンクリートの中でつなぐ重要な役割を担っています。
私ども建築用アンカーボルトメーカー協議会が推奨する建築構造用アンカーボルトのABR/ABM規格アンカーボルトは社団法人日本鋼構造協会が制定し、構造用アンカーボルトに分類されるアンカーボルトで、一般普及製品では日本で唯一認定制度を有し、その耐力と性能を保証されたアンカーボルトです。
ABR/ABM規格アンカーボルトの特徴
見た目には同じアンカーボルトでも、ABR/ABM規格アンカーボルトには、その能力を保証するために、様々な基準や規定があります。
これまでのアンカーボルトとの違いをご紹介すると、まず、アンカーボルトの鋼材には建築用圧延鋼材のSNR材が使用されています。アンカーボルトでは、今まで一般的にはSS材という鋼材が利用されていましたが、SNR材は建築専用の鋼材であり、SS材に比べて寸法精度や伸び能力が優れています。
また、これまでのアンカーボルトでは、阪神淡路大震災の時にも、ボルトねじ部分で破断し、建物が倒壊する事例が多くあったことから、ABRアンカーボルトは転造加工というねじ加工法を行い、ABMアンカーボルトは切削加工で細目ねじを採用することにより、地震時にボルトねじ部でアンカーボルトが破断することなく、アンカーボルト全体で地震等による引抜力を吸収できるよう十分な設計検討がされています。
また、建物とアンカーボルトを締結する際の締結部品として使用するナットや座金についても強度管理をした部品が使用されており、ナットが弱すぎて抜けてしまうことや、座金が変形してベースプレートから抜けるというようなことのないように採用されています。
これまでのアンカーボルトとの違いをご紹介すると、まず、アンカーボルトの鋼材には建築用圧延鋼材のSNR材が使用されています。アンカーボルトでは、今まで一般的にはSS材という鋼材が利用されていましたが、SNR材は建築専用の鋼材であり、SS材に比べて寸法精度や伸び能力が優れています。
また、これまでのアンカーボルトでは、阪神淡路大震災の時にも、ボルトねじ部分で破断し、建物が倒壊する事例が多くあったことから、ABRアンカーボルトは転造加工というねじ加工法を行い、ABMアンカーボルトは切削加工で細目ねじを採用することにより、地震時にボルトねじ部でアンカーボルトが破断することなく、アンカーボルト全体で地震等による引抜力を吸収できるよう十分な設計検討がされています。
また、建物とアンカーボルトを締結する際の締結部品として使用するナットや座金についても強度管理をした部品が使用されており、ナットが弱すぎて抜けてしまうことや、座金が変形してベースプレートから抜けるというようなことのないように採用されています。
- ねじの種類
- ABR=転造並目ねじM30
- 規格外=切削並目ねじM30
- ABM=切削細目ねじM30
- 解説:
- 同じM30のねじでも、規格外である切削並目ねじの加工方法では、ABR/ABMに比べて、軸部とねじ部の断面積の差が大きいことが分かります。軸部とねじ部の断面積差が大きいと、軸部で地震力を吸収する前にねじ部で破断してしまい、建物の倒壊につながる恐れがあります。