社団法人日本鋼構造協会規格
転造ねじアンカーボルトと切削ねじアンカーボルト
グラフ[1]はM36のアンカーボルトを用いて、SNR490Bを材料とするABR490とABM490における引張試験結果を比較したものです。 いずれのアンカーボルトも全長900mm、両端のねじ加工長さ145mmです。
| 寸法データ(M36) | ||
|---|---|---|
| ABR400 | ねじ部有効断面積(転造) | 817mm² |
| 軸部有効断面積 | 864mm² | |
| ABM490 | ねじ部有効断面積(切削) | 865mm² |
| 軸部有効断面積 | 1,018mm² | |
グラフから次のことが判ります。
切削ねじのアンカーボルトでは、初めに断面の小さいねじ部が降伏し、ねじ部の歪硬化により応力上昇して軸部降伏耐力に達した後に、 軸部が塑性変形する様子が判ります。
転造ねじのアンカーボルトでは、軸部断面積はねじ部有効断面積に近似しているため、ねじ部と軸部がほぼ同時に降伏します。
転造ねじは塑性加工の影響で、写真1に見られるようにファイバーフローがねじ山の形に沿って流れ、 谷底部分が特に緻密になりねじの谷の硬度が上昇します。
これによってねじ部と軸部との強度における差が極めて小さくなり、転造ねじアンカーボルトでは軸部降伏後耐力上昇が可能で、 大きな伸び性能を有しています。
このように、切削ねじによるアンカーボルトは転造ねじによるものと較べ、性能的に劣る部分がありますが、 ABM規格においてはボルト素材の降伏比制限を厳しくすること、及びねじ部の欠損断面率の制限により、 アンカーボルトに軸部降伏後12%の耐力上昇を持たせ、所定の一様伸び(3%)以上を確保したものであります。
製作工場認定制度 (社団法人 日本鋼構造協会認定)
建築用アンカーボルト業界の品質向上を通して 、建築業界ならびに社会に貢献することを目的にアンカーボルトメーカー協議会が設立され、建築構造物全体の品質保証システムの一環として、建築構造物の柱脚に用いる建築構造用アンカーボルト( 日本鋼構造協会規格JSSⅡ13・14)の製造体制を保証するために、2003年に製作工場認定制度が確立されました。 この度、2006年度より認定制度が改められ、社団法人日本鋼構造協会(JSSC)建築作工場認定制度に昇格いたしました。