JFMA (Japan Foundationbolt Manufactures Association) 建築用アンカーボルトメーカー協議会

社団法人日本鋼構造協会規格

制定の経緯

 日本鋼構造協会では、主として露出形式柱脚のアンカーボルトとして使用される軸部降伏を保証したボルトセットについて平成12年6月に、「 JSSⅡ13 建築構造用転造ねじアンカーボルト・ナット・座金のセット」と「 JSS Ⅱ14 建築構造用切削ねじアンカーボルト・ナット・座金のセット」を制定した。これらの規格は、SNR鋼を素材として用い、ねじ部の加工法として転造によるものと切削によるものの2種類となっており、これらの規格に従ったボルトは、これまでにかなり生産されている。これらの規格が平成16年3月から改定された。その主要な改定点は以下の通りである。

 改定の大きな理由は、2001年にねじに関するJIS規格、2003年に建築用ターンバックルブレースのJIS規格が改定されたことによるものであるが、更に今回の改定にあたっては、これまでの使用実績の中でボルトメーカーやユーザーから出てきた要望をできるだけ採り入れている。なお、ねじのJIS改定による問題は、ねじ精度などに関するもので、ユーザーにとっては特に問題となるものではない。

 JSSⅡ13 については、ねじの加工法が同じである建築用ターンバックルブレースのブレース材と共通の精密圧延によるSNR材を素材に用いることにしているが、これまではボルト軸径の公差に両者の間にわずかの違いがあったので、これを統一した。その結果、軸部径の基準寸法、最大値、最小値及び偏径差の規定値が従来の値からわずかに変更になり、設計で用いる公称耐力にもごくわずかの違いが生じている。ただし、その差は極めて小さいもので、柱脚の設計に影響を及ぼす程のものではない。

 JSSⅡ14ではかなり大幅な変更がある。第1点は、400N/mm²級のアンカーボルトであるABM400の素材の降伏比を従来の70%以下から75%以下に変更したことである。これによってABM400と490N/mm²級のアンカーボルトであるABM490に用いる素材の降伏比が75%以下に統一された。第2点はこれに伴って、ABM400とABM490のねじをねじ部の断面欠損がより小さなメートル細目ねじに統一した。

 更に、従来は細径のアンカーボルトは、できるだけ転造ねじのボルトを使用して欲しいとの考えと、軸部降伏の性能保証のため切削ねじアンカーボルトは、呼び径の下限をABM400ではM27、ABM490ではM36としていたが、ユーザーの要望とメートル細目ねじでの断面欠損率を検討して両者ともM24からとし、この規格で対象とするボルトの呼び径の範囲を拡げた。

 以上が今回の改定の内容である。この規格によるアンカーボルトが今後更に普及することを期待したい。

日本鋼構造協会

建築構造用アンカーボルト製品規格改定小委員会

委員長 田中淳夫

JSS規格の内容

露出形式柱脚部の大地震時における必要回転角は0.03rad程度とされており、アンカーボルトの塑性変形のみによってこの回転量を確保すると仮定すれば、定着長さ20dで3%の一様伸びに対応する塑性変形があれば構造特性は確保されることが確認されました。そこで当規格においては、アンカーボルト破断までの一様伸びが3%以上となることを保証することとしました。

図

建築構造用アンカーボルトの強度には400N/mlと490N/mlがあります。

ボルトの素材として JIS G 3138 (建築構造用圧延棒鋼)SNR400B、SNR490Bをベースとして、さらに厳しい条件を設けた材料を用いることによって、所定の一様伸びを確保しています。

建築構造用アンカーボルトのねじ加工には転造ねじと切削ねじがあります。

必要な力学性能確保の観点から、100mm程度までのボルト径を想定し、加工実績と設備能力からM16〜M48までは転造ねじ、M24〜M100のサイズは切削ねじにて規格しております。※下記参照

1組のセットの構成は、ボルト1本、ナット4個、座金1枚 からなっています。

ボルトの標準寸法は両ねじタイプでねじ長さは4d、ボルト長さ25dおよび30d。ナットは強度区分5又は8の並六角ナット1種及び2種。座金は硬さ区分200Hの丸座金とします。

セット種類・記号 ボルト強度 ナットの強度区分 座金の硬さ区分 素材降伏比 加工方法 ねじの種類 加工範囲
ABR400 400N/mm² 5又は8 200H 80%以下 転造ねじ メートル並目ねじ
ABR490 490N/mm² 5又は8 200H 80%以下 転造ねじ メートル並目ねじ
ABM400 400N/mm² 5又は8 200H 75%以下 切削ねじ メートル細目ねじ
ABM490 490N/mm² 5又は8 200H 75%以下 切削ねじ メートル細目ねじ